The Days of Wine and Roses
「酒とバラの日々」として知られたジャズのスタンダードナンバーです。
ジャズに親しむ友人に歌詞の和訳を始めてみたよと伝えたら、早速これをお題としてリクエストくれました。
私は音楽はめくらめっぽうに好きだし、密かにパーフェクトピッチ持ち*1なのだけど、実はジャズはさっぱりわからんのですよ。
わかったらいいしジャズ的にピアノを弾けたらいいな*2とはしょっちゅう思います。
ジャズというのはおそらく、数々の暗黙のルールに則ってできてるのではないかなと。
自由な音楽のようでいて、奏でるためのルールが幾つかあって。
キーがどうとか、音を外すルールもないようで実はあるじゃないですか。
セッションなんて、最初音を混ぜて互いの反応を確認してから、融通しあってそれぞれが自由に奏でられるパートのリレーをしていくじゃないですか。
暗黙のルールをちゃんと知っていて、それを遵守するからこそ自由に奏でられる。
自由って本質的にそういうものなのかもしれません。
見えないけど確かに存在するルールできちんと囲った中に自分を置き、他の人やものごととの距離を測り、適切にキープするからこそ、自由がある。
というわけで私にとってのジャズは。
なにも知らないでただ楽しむには少々敷居が高く、
暗黙のルールがわからん不届き者は勉強してから出直してこーい、ってなりがちで、
だからこそ蘊蓄をひけらかす輩*3が溢れたりする音楽ジャンルでもある、と。
...純粋に音楽として楽しんでいる人もたくさんいるとは思うんですけどね!
さて、酒とバラです。
The Days of Wine and Roses
酒と薔薇の日々
The days of wine and roses laugh and run away like a child at play
ワインとバラにうずもれたあの日々はまるで遊んでいる子どものように笑い
Through a meadow land toward a closing door
草原を抜けて閉ざされたドアまで逃げていく
A door marked "nevermore" that wasn't there before
「二度とない」と印されたドアはあの頃はなかった
The lonely night discloses just a passing breeze filled with memories孤独な夜には思い出に満ちたそよ風がただ吹き抜ける
Of the golden smile that introduced me to
目に浮かぶのはあの黄金に輝いた笑顔、かつて私を誘なった
The days of wine and roses and you
ワインとバラまみれの毎日、そして君へと
では英語のお勉強的なことをいくつか。
- 現在形なんですよね、時制が。つまり今の状況を歌ってる設定。
- Child "at" play とすると「遊んでいる」といういわゆる進行形感が生まれるぽいです。
- meadow land は辞書引くと牧草地って出てくるのですがいきなり牧場?緑のマキバオー??本命穴馬かきわけて???*4ってなったんですが、こういう合ってるかどうかわからない時によくやる手として画像検索というものがあるのだよ。結果、meadow landは緑生い茂る野原、花咲き乱れる草原みたいな感じでした。
-
discloseって覆いをとって白日の下に晒すようなイメージがあります。disclosureだと暴露という意味になるとか。*5
2段目は、読んだときいい感じでありつつも本意を保つ日本語をあてはめるのにちょっと苦心しました。
夜は帳(とばり)を「下ろす」ものですが、ここではカーテンを開けるような感じ。目の前にかつての恋人の輝くような笑顔が現れて、その笑顔がめくるめくワインとバラの日々、そして恋人自身へと誘なったという*6
元々は映画のテーマ曲だったんだそうで*7。
どうやらアンディ・ウィリアムズの歌入りバージョンと、オスカー・ピーターソン・トリオの音だけバージョンが有名なようですが、
Appleであれこれ聴いたらエラ・フィッツジェラルドのこのバージョンと、ジュリー・ロンドンのがかっこよかったです。
映画は女性がアル中になるストーリーだから女性が歌う方がなんか響くのかしら。
ちなみに女の方がアルコール耐性うすくてアル中になりやすいのは有名な話*8
コロナ禍のせいで飲酒量が増えた人も多いようですが、私は実は減ってるんだよね。
ほら飲み会でわーいって4杯も5杯もいっちゃう勢い的なものがないからさ。
ひとり家晩酌だとしんみりせいぜい2、3杯で終わりですよ。あとそもそも寝落ちが体質でひどいし。
早くみんなでかんぱーい、ってやりたいな。
最後にジャズとはなんじゃろな、と書きながら聴いてたこれらが大変かっこよかったのであげておきます。
(何がルールだ、お前わかんなくても楽しめてるじゃん!というツッコミは甘んじて受けます。うん、かっこいいですよ、シンプルに)
*1:何の音でも音符に聞こえるって話は眉唾ですよ…音階に合った音だけで世の中ができてると思うな…ひとにはひとの絶対音感、かもだから正直わからんけど、私のやつはドレミファソラシドにほぼ合ったときに音が音階を頭の中でしゃべるタイプです。即ち既に歌詞がある=何か言葉で喋ってる曲は音階わかるけども歌詞なし曲みたいに勝手に喋らないので変換が遅れるという具合です。ちなみにもやーと広がるような声で歌われると余計変換しづらくなる
*2:割とまともにできる楽器です。どのくらいかというと、高校入るまで合唱で歌ったことが殆どないんです。ずっと伴奏やらされてたから。という程度には弾けます。筋トレと一緒でピアノってやめると全く弾けなくなっちゃうので、週1くらいで必ず指は動かします、電子ピアノどころかキーボードしかいま家にないけど。触らないよりはましだと信じて
*3:ひけらかす奴って大抵ろくでもないですよね...ひけらかし系が楽器うまいとかあるのかな、ないだろうな
*4:元曲は「走れコウタロー」です。
そういやこないだ家掃除してたらディープインパクトの有馬記念のときの半券が出てきました。引退の記念に買ったんだったね。ディープは本当にスターでした...
*5:「ディスクロージャー」っていうタイトルの逆セクハラを扱った映画が昔ありましたね。午後のロードショーかなんかでみた記憶がうっすらあります。この頃のデミ・ムーアめちゃくちゃキレイですが、怖いですね...
*6:"めくるめく"というとなんかエロティック感が漂いますが、エロ以外でめくるめくって言葉つかうのかな、とちょっと辞書引いてみたらつかうこともあるようですね。漢字では目眩くと書くらしく、文字通り目が眩むような、の意味だそうな。まぶしいというような意味もあるらしいです
*7:ジャック・レモンといえば「アパートの鍵貸します」も有名ですね。自宅をラブホにする民泊もびっくりの話です(主題はそこじゃないけど)。しかしWikiのジャック・レモンの「生涯」の欄に "現代人の持つ性格的ひ弱さを演じては右に出るものはいないとまで言われる" ってあるのクソ笑えるんですけど
*8:これはジェンダー云々でどうにかなる認識ベースの話ではなく、どうがんばっても生物学的特徴なので、まあ仕方ないですね。私は結構お酒が好きなので気をつけまーす!