ハナビ、

ハナが東京砂漠で綴るよたばなしです、英語歌詞翻訳はじめました copyright ©︎ ハナ 2009-2021 all rights reserved.

Only Passing Through

それなりに長いこと音楽を聴いていると、たぶん自分しか好きじゃないだろ!と思える、メジャーではないけれどもMy Favorite Thingsなお気に入りバンドやアーティストがいるものです。

多感な時期や、記憶に残る特別な時期にうっかり聴き込んでしまったりすると、そうなります。

 

Idlewild(UK)*1、Talulah Gosh(UK)*2Cat Power(US)*3、Miles(Germany)*4、Berry(France)*5、Coeur de Pirate(France)*6、それから何よりもSarah records(UK, Bristol)の愛しきバンドたち *7、などなど。

 

で、その筆頭というか未だに応援してしまうのが、The Lilac Timeというバンドです。

 

Stephen Duffy、まさかのデュラン・デュランを振った男*8がずーっと率いている、スコティッシュ・フォーク感あふれるキラキラのギターポップネオアコバンドです*9

私がロックにはまり始めた時にラジオ*10で聴いて以来、ずっとこのバンドが好きで、この民族テイスト、英国っぽさ、ビスケットとミルクティーの香りがとてつもなく似合う、少女趣味感にしてやられたものでした *11

ネオアコで最も有名なバンドはアズテック・カメラ*12、あとはパステルズ、オレンジジュース、ペイルファウンテンズ、もっと後になるとラーズ、ベル&セバスチャン、あたりでしょうか。

私はそれらには全然入れ込めず、The Lilac TimeとTalulah Gosh、Sarah recordsのあれこれにどはまりしてましたね。

ネオアコほんとは好きじゃないんだと思います。

で、そういうレアな音源は、今ならApple MusicやYouTubeで音源探せるんだけども、昔はレコード屋にしか、しかもごく限られた枚数しか売ってなくて、しかも基本古い音源だから廃盤になってるのでもちろん中古で、大手から個性的な街の中古レコード屋まで、あれこれ覗いて回る毎日だったわけです。サークル活動なんかほとんどやってなかったけど、音楽のおかげで学生時代楽しかったな。

 

てか語り尽くせないほど思い出はあるものの、それはまたにして。

そんなThe Lilac Timeの数々の好きな曲の中で、どれを訳そうか迷ってしまうのですが。

 

カヒミ・カリィがカバーしていたBlack Velvetとか*13、夜中の高尾山*14で聴いたら風景に似合いすぎてわくわくしたTrinityとか、ど失恋でバイト行かなきゃいけなかった時に聴いたGrey Sky and Work Thingsとか*15、いつもこれが一番好きかもなと聴くたび思うWork for Weekendとかとか。*16

いろいろ候補はあれど、ふっと思いついたのがこれです。

Only Passing Through。

人生初の海外旅行だったカリフォルニアのサンフランシスコ・ロサンゼルスしかもアムトラックで縦断旅行*17でここのこと歌ってる!とその場で気づいて現地で聴くことができた、思い出の曲です。

サンフランシスコといえば中古レコード屋の聖地、Height Ashberyでもお買い物しましたよ。

とあるCDを1枚なんとなくジャケ買いしたら、後になんとあのバンクシーの花束ってやつじゃんこれ!と知るという。

あの頃はバンクシーまだそこまで有名じゃなかったんだと思いますが、さくっとジャケに採用?盗用?しちゃった某インディーレーベル(USに行ったのにUKのレーベルのCD買って帰ってきてました。アホや)、慧眼ですね。

え。今ぐぐってみたらCDですらオークションサイトで結構な値段ついてる…!*18

さて。そのOnly Passing Throughは、このベスト盤で聴けます。 

Time Compendium & Fontana Trinity

Time Compendium & Fontana Trinity

  • アーティスト:Lilac Time
  • 発売日: 2001/08/14
  • メディア: CD
 

Only Passing Through

通り過ぎるだけ

 

Only passing through

通り過ぎるだけ

Only passing through

通り過ぎていくだけ

We own this stuff briefly

ちょっと住んでいる気分を味わえたとしても

You can't take it with you

所有することはできない

 

You can't own the houses

君には到底手に入れられないよね

That will outstand you

この圧倒されるほど素敵な数々の住宅は

Only passing through

ただ通り過ぎることしかできないんだ

These houses and these streets

この素晴らしい住宅や街路の数々を

 

McAllister

マカリスター

O'Farel

オファーレル

California clay

カリフォルニアクレイ

Green

グリーン

Greenwich

グリンウィッチ

Chestnut bay

チェスナットベイ

 

Only passing through

通り過ぎるだけ

Only passing through

通り過ぎるだけ

We own this stuff briefly

つかの間だけそこの住人のふりができても

You can't take it with you

所有することはできない

 

As I walked out this morning

今朝ちょっと散歩に出かけた時さ

Before the sun was up

まだ日が昇る前だったよ

Everyone was sleeping still

だれもがまだ眠ってて

The curtains all were shut

カーテンは全部閉まってた

The world I found was wealthy

僕が見たのはリッチな界隈だった

More than we can afford

どうしたって僕らの手には負えないような

And all that is offered to us

僕らが受ける恩恵は

A miserly reward

ただ素敵だなってうらやむこと

 

Only passing through

通り過ぎるだけ

Only passing through

通り過ぎるだけ

We own this stuff briefly

この風景をちょっとだけ自分のものにできても

You can't take it with you

所有することはできない

本当にそうだな、と綺麗なパステルカラーに塗られた豪華な家々を眺めながら思いました。

最初の海外旅行だったサンフランシスコとロサンゼルスは、違う国に行くことはめちゃくちゃ楽しいんだよと教えてくれたとても恩義のある街です。

 

いつか住んでみたいなと今でもちょっと思ってます。こんな家には住めなくともね。

*1:まだやってるとは夢にも思いませんでしたがなんと解散後再結成してまだやってるらしいです。昔の曲はハタチくらいの学生にありがちな頭でっかち感がすご過ぎるのですがまさに私がそんな状態だった頃に聴きこんでいたし、なんなら歌詞をコピーしてノートに貼ったりしていたので、今でもめちゃくちゃ覚えてるんですよね。ちなみに私は大学時代に地理を専攻しており、冬の高尾山で気温観測という実習があったのですが、その時に朝4時が一番寒いなーとか思いながら"朝焼けなんて初めて見た"という歌詞が含まれているこのアルバムの"Let Me Sleep (Next To the Mirror)" という曲を口ずさんだりしていました。学生時代のお勉強、まじで楽しかったな。

100 Broken Windows

100 Broken Windows

  • アーティスト:Idlewild
  • 発売日: 2000/04/10
  • メディア: CD
 

*2:私ってネオアコが好きなんだ!と誤った認識を抱かせたバンド。このバンドも姉弟でやってるんでしたっけね。オアシスといい、なんか兄弟姉妹でやってるバンドに弱いのかしら。アルバムに歌詞カードはなかったので、必死に聞き取ろうと頑張りました。この頃の耳と根性があれば今仕事で困らないのに!って時々思います…タルラーゴシュって意味なに?わかんないけど?って思いながらもこちらも録音MDがいかれるほど聴きつぶしたアルバムでした

Backwash

Backwash

  • アーティスト:Talulah Gosh
  • 発売日: 1996/05/21
  • メディア: CD
 

*3:こんな風に生まれたかったよー!と思う憧れ女性の一人ですね。声も容姿も完璧です。実は来日ライブにも行ったことがあります。とってもダウナーなゆるゆるライブで「スワテ クダサーイ」って観客全員体育座りさせられましたっけね。一緒に行ってくれた男性が確かポールスミスかなんかのスーツ着てて、代官山UNITの汚い床に座らせてちょっと申し訳ないなと思ったりしたものでした。

ジュークボックス

ジュークボックス

 

*4:Milesで検索するとジャズしか出てこないよ!この曲が有名です。ドイツのTahiti 80と呼ばれていたのにふさわしいリゾートサウンド。結構ロックな曲もあります。

*5:フランス滞在、特に語学学校のあるランブイエという地域の公園のことを激しく思い出させる、というか意識的に聴きまくってその時の空気とか感情を閉じ込めておいたアルバムです。全然メジャーじゃないけど、全曲本当に秀逸です。ストリングスが美しいMademoiselleという曲はまさにフランス女子にふさわしいコケティッシュ感があって、筆舌に尽くしがたい素晴らしさです。フランス入りした初日に泊まったホテルで何となく音楽番組つけてたらこの曲の最高なビデオクリップが流れてきて、速攻で曲名をメモりました。人並みに心細かった私をフランスが歓迎してくれてるかのように感じたものでした。ラッキーなことにライブも現地のオランピア劇場でみましたっけ。古くて小さくて独特の匂いがする素敵なコンサートホールだったな。

Mademoiselle: Edition De Noel (W/Dvd) (Pal) (Coll)

Mademoiselle: Edition De Noel (W/Dvd) (Pal) (Coll)

  • アーティスト:Berry
  • 発売日: 2008/12/23
  • メディア: CD
 

*6:Berryと違ってこっちは結構売れてるか。なんとApple musicにプレイリストありました。このアーティストの何と言ってもComme des enfantsは、歌詞がなくてねー…何言ってるのかほとんどわからないなりに現地滞在中は口ずさみたくて何度も聞きました。最近Appleに入ってたのみて初めて歌詞を知ったのですが、私の妄想歌詞とはだいぶ違ってたな。しかしこのジャケの顔写真、めちゃくちゃaikoっぽいですね。

Coeur De Pirate

Coeur De Pirate

  • アーティスト:Coeur De Pirate
  • 発売日: 2008/10/07
  • メディア: CD
 

*7:Sarah recordsはブリストルというイギリスの小さな街でひっそり生まれた、手仕事感のある、地元の若者がバンドを始めてどきどきしながらギターをそっと鳴らしてみたような、素朴で味わいある、とにかく私好みの要素しかない奇跡のレーベルです。最初は馬場のレコファンで奇跡的にGlass Arcadeのレコードを見つけたんだっけ。状態は全然良くなかったけどこれはあれだぞ、きてるぞ、お前が買うべきやつだぞ、と語りかけられた感じでしたね。そしてこれのおかげで学生時代はひたすら廃盤レコード探しに勤しみましたよ。今みたいにとりあえずググれば音源がある時代じゃなかったんで、ジャケやレーベルで曲の良し悪しを嗅ぎ分けることって音楽好きにはよくある行動でした。オアシスを排出したCreation recordsだって大御所だけどレーベルだしね。UKのELLEとかは特におしゃれで名前が知れてて渋谷系に人気でしたね。渋谷系といえばTrattoriaという私が敬愛する小山田圭吾先生が手がけていた国産レーベルもありましたっけ。渋谷系の曲は一応かなり聴いたし、好きなんだというフリもそれなりにしてみたけれど、どうも自分にはあんまりああいうおしゃれなのは柄じゃないなと気づいてもいました。渋谷系がネタにしている元の音楽はすごく好きでしたけども。ちなみにSarahの本拠地ブリストルは今の仕事に就いてからちょびっと関係することがなきにしもあらずな街になりました。早くコロナ明けて行く機会があればいいのにな。実はSarahのコンピレーションのジャケットはどれもブリストルの風景なんだそうですよ。ブリストルに行けたあかつきには私なりに聖地巡礼したいです。

Glass Arcade

Glass Arcade

  • アーティスト:Various
  • 発売日: 1995/03/09
  • メディア: CD
 

*8:デュラン・デュランは振った1年後に大ブレイクしました。もったいなーいと思うけど、続けていたらThe Lilac Timeは存在しないわけだから、ありがとうDuffyという感じではあります。ところで10年ばかり前だったか、サークルの大先輩に連れて行ってもらったいまはなき洋楽カラオケバーで銀行の営業マン的な風貌のどこかのお兄さんが完璧にReflexを歌っていて、そこからデュラン・デュランが好きになりました。ありがとうどこかのお兄さん。

*9:WikiみたらなんかDuffy一族のバンドみたいになってるぞ... 結成当時から兄のNickと兄弟でやってはいたものの、なんだこれ...

*10:宮子和眞さんという音楽ライターの方がNHF-FMで特集していました。未だに録音のMDあると思う

*11:実際、Astronautsというアルバムの国内盤の帯にミルクティーの香り漂うとか書いてありましたっけね。

*12:いつも言いたくなるんですけど、Blueという魚喃キリコの漫画が原作のとても素敵な映画がありまして。川内倫子のスチル写真と、市川実日子の瑞々しさがドツボに大好きなんですが、友人役で出演していた今宿麻美が、とあるクズ男のクズっぷりを"アズテック・カメラとか、そういうのが好きな男なんだよ"と評しているシーンがあるんです。映画館で声出して笑っちゃいましたね。

blue [DVD]

blue [DVD]

  • 発売日: 2003/09/26
  • メディア: DVD
 

*13:このカバーアルバムではDilly Dally Dollyが素晴らしいです。ちなみに不思議なんですが、自分がフランス行ってみたらカヒミ・カリィさんのことはすっぱり好きじゃなくなってしまった。なんかを乗り越えたんだと思います。

My Suitor

My Suitor

  • アーティスト:KAHIMI KARIE
  • 発売日: 2001/11/21
  • メディア: CD
 

 

*14:なんで高尾山かは1の注釈をご参照ください!

*15:天使が降りてきそうな曲で、実際そういうフレーズが歌詞にあったはず。当時住んでいた家の玄関を入るまで泣くの我慢してたことを覚えてますね。古い家だったけど玄関に飾りガラスがあって。あの家と飼ってた鳥のことすごく好きだったな。

アストロノーツ

アストロノーツ

 

*16:Paradise Circusというアルバムに入ってる地味な曲です。現地の若者の恋ってこんな感じなんだなって胸ときめかせたものでした

*17:大学生になって初海外だから割と遅咲きですね。数年後にフランス行っちゃう人とは思えません。そのうち留学するから下見に、という友人Nに私も連れてけ!と迫って無理やりくっついて行ったのでした。初の海外だったもんだから時差ぼけ酷かったな。先述のドイツのTahini 80と言われたMilesもその眠れぬ夜に"Hey it's OK, when the morning comes and you're still awake"という歌詞を夜通し聴いていましたっけ。友人ガン寝している横でむしゃむしゃ駄菓子貪りながら…笑

*18:これですこれ。色が可愛いので(Never Mind the Bollocks色ですが)壁に飾ってました。本物だよ!

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Banksy design cover: We Love You (Front)

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Banksy design cover: We Love You (Back)

 

 

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Banksy design cover: We Love You (CD)