ハナビ、

ハナが東京砂漠で綴るよたばなしです、英語歌詞翻訳はじめました copyright ©︎ ハナ 2009-2022 all rights reserved.

Audition (The fools who dream)

先の投稿@1/26で「週1くらいで」といいましたよね?

もう2月も2週めですが…?

という自分からのプレッシャーに耐えかねて筆をとる次第です。

(慣用句、実際はノートパソコンのキーを打つ)

 

さて、Auditionについて述べたからにはやっておかないと。

フェイ・ダナウェイ*1アカデミー賞でやらかしたことで有名な、映画ラ・ラ・ランドの挿入歌です。

ラ・ラ・ランド(字幕版)

ラ・ラ・ランド(字幕版)

  • 発売日: 2017/08/02
  • メディア: Prime Video
 

 

というわけでネットの大海原を探したらありました。このシーンです。

女優をあきらめて実家に帰っていたミアが、まさかのチャンスで受けたオーディション。

何か話してみてください、何でもいい。と言われて語り始めるのが冒頭です。

 

Audition (the fools who dream)

オーディション (夢見る愚か者たちに捧ぐ歌)

 

My aunt used to live in Paris

私の叔母は昔パリに住んでて

I remember she used to come home and she would tell us these stories about being abroad 

うちに時々遊びに来て、よく話してくれてたんです、外国に住むってどんな感じだったかとかを

And I remember she told us that she jumped into the river once

それで、彼女が川に飛び込んだ時の話を覚えてるんですが、

 

Barefoot...

裸足で…

She smiled...

笑ってて…

 

Leapt without looking

見もせずにぽんと飛び込んで

And tumbled into the Seine

セーヌ川に突っ込んだと

The water was freezing

川の水は凍ってて

She spent a month sneezing

一ヶ月もくしゃみしてたと

But said she would do it again

でもきっとまたやる、と言っていた

 

Here's to the ones who dream

夢を見る人に乾杯

Foolish as they may seem

ばかみたいに見えたとしても

Here's to the hearts that ache

傷だらけの心に乾杯

Here's to the mess we make

私たちがしでかすめちゃくちゃに乾杯

 

She captured a feeling

叔母は感覚をとらえた

Sky with no ceiling

天井のない空

The sunset inside a frame

フレームに閉じ込めた夕日

She lived in her liquor

酒浸りだった叔母は

And died with a flicker

一瞬のきらめきを残して死んでいった

 

I'll always remember the flame

私はいつだってその情熱を忘れない

 

Here's to the ones who dream

夢を見る人に乾杯

Foolish as they may seem

ばかみたいに見えたって

Here's to the hearts that ache

ぼろぼろの心に乾杯

Here's to the mess we make

私たちがやらかしたくそったれに乾杯

 

She told me:

叔母は言った

"A bit of madness is key

ちょっとした狂気があれば

To give us new colors to see

新しい色で世界が見られる

Who knows where it will lead us?

それでどこへ導かれるかなんて知ったことじゃない

And that's why they need us"

だからこそ人々には私たちが必要なの

 

So bring on the rebels

だから反旗を翻せ

The ripples from pebbles

小石からさざ波を立てろ

The painters, and poets, and plays

画家よ、詩人よ、俳優よ

 

And here's to the fools who dream

夢見るばかな奴らに乾杯

Crazy as they may seem

狂ってるようにみえても

Here's to the hearts that break

打ち砕かれた心に乾杯

Here's to the mess we make

私たちが生み出す混沌に乾杯

 

I trace it all back to then

あの頃の記憶を辿ってみると

Her, and the snow, and the Seine

叔母と、雪と、セーヌ川とを

Smiling through it

そっくり笑って思い出す

She said she'd do it again

きっとまたやる、と叔母は言った

  

英語的に難しかったというか、調べないとわからなかったのは、"Here's to XX" で「XXに乾杯」という表現です。辞書に載ってるけど。

 

あと、どうも意味がつかみ切れていないのはまさにそのつかむ=captureが出てくるこのフレーズですね…

She captured a feeling
Sky with no ceiling
The sunset inside a frame

She lived in her liquor
And died with a flicker

I'll always remember the flame

 

capture が何かをつかみとる感じがあって、a feeling、それが Sky with no ceiling と The sunset inside a frame なのか?それは飛び込んだ時の feeling なのか?それともその後のlived in her liquerの頃なのか?それはパリなのかパリ後なのか?

多分このあたりは韻を踏むために feeling -> ceiling、liquer -> flicker、後ろの I'll always remember the flame と掛けての a frame なのだろうけど、それは写真のフレームのような意図?それとも額縁?窓枠?天井と何の関係が?

flicker は品詞あるし e が入るから写真ストレージのFlickrじゃないけどこの with a flicker って何?慣用句??などなど、雰囲気はありそうだけどなんか情景がイマイチわからないぞ...とこんがらかりながら訳してました。

 

あとは多少ですが意訳気味になったのは mess。

混乱、しっちゃかめっちゃか、ぐちゃぐちゃ、めちゃくちゃ、みたいな意味だけど、つまりから騒ぎ感かなと思って "から騒ぎ" を引いたら "Much Ado about Nothing" という何だか大変懐かしい番組名(ていうか本来はシェークスピアの戯曲名...笑)が出てきました。

そしてから騒ぎの対訳は "making a fuss" らしいです。mess じゃなく fuss。

となると、もっと汚いもの(それこそ mess にはごみ、糞とかいう意味もあるようなので)になるから、f**k とか s**t を使わずクソ的な意味合いを表したかったのかな、などとも思い、2回目は「くそったれ」という言葉をあててみました。

3回目は、反乱の狼煙を上げろ的なフレーズの後なので、かっこよく響くのがいいなと思って「混沌」にしました。

しかし一口に make と言っても百万とおりくらいの訳語があてられそうで、便利な単語だなと実感し、かつ日本語の表現の多様さにも気づかされますね。

よく言われるように "I" だけでバリエーション相当ありますからね日本語...

でもその逆で、日本語では一言で済ますものを英語で百万とおりももしかしたらあるのかもだけど。

 

しかし、この話をパリで暮らしていた叔母のエピソードとして持ってくるのが秀逸ですね。

なにより叔母って立ち位置がいい。ちょっと遠くてでも頼れる、ほんの少し血が繋がっている近過ぎない身近な存在。親では直接過ぎてこうはいきません。

伯母さん叔母さん(伯父さん叔父さんも?)って全ての人類に必要かもなと思いますね。

 

私も一時期パリで暮らしていたことがあります(そして今や甥姪いるのでリアルにパリで暮らしていた叔母でもあるという)。ワーホリビザきた、フランス行っちゃえ、というかつての無謀な決意は、私にとってセーヌ川に飛び込む行為でした。

住んでいた当時はひたすら見ること感じることに夢中でしたが、あの日々の、いわば生状態のきらめきを時間とその後の人生あれこれで消化し熟成できたせいか、10年が過ぎた今になって、あの日々がじわじわと効いてきたように思います。遅れてきたほろ酔いです。

特に移動ができないこんな状況になると、ほんの短い間とはいえ、異国、それもパリに住んで、現地で働いて、旅をして、たくさんの人や風景や出来事にひたすら感動して過ごせた思い出があり、それを今ふりかえっても懐かしく、かつ色あせることなく味わえるのは、なんという贅沢なことだろう、としみじみありがたいです。

「パリは移動祝祭日」というヘミングウェイの言葉には完全に同意です。

移動祝祭日(新潮文庫)

移動祝祭日(新潮文庫)

 

 

さて。最後にささやかに所感をば。

先日の投稿で述べたとおり、有名な冒頭のダンスより、ポスターになってる二人が踊るシーンより、このシーンこそがラ・ラ・ランドという映画の真髄だと、私は思うわけであります。

ラ・ラ・ランドは、芸を志し芸に人生を賭けて生きる人々、勝とうが負けようが、それに踏み出したことがある全ての人々の讃歌なのであります。

芸に身を賭した人々は、端から見たらばかなことをして、腹の足しにもならない、クソみたいなものを作っているかもしれない。けれどもそれがだれかに響いて "New colours to see"、つまりその人の世界の見方を変えてくれたり、それこそがその人の生きる糧になったりするのだ。That's why they need us (この "they" は文法の教科書の用例に出てくる「人々」を指すのでしょうね)、だからやってみてはくれないか。自分もやる、だから共にやろうではないか。そう力強く歌っているのであります。

混沌を作る側に強く憧れたけれども食っていくほど腕に覚えもなく淡々と社会生活を送っている私のような人間は、人生を賭けて芸事に身を投じた人々の姿勢には、おそれと尊敬の念しかありません。

習い事の師匠や先生にも、どんなに穏やかに見えても人生を賭けるほどの狂気と自分を信じられるほどの技巧があったのかと思うと、趣味とはいえど敬意を払って真剣に取り組まざるを得ないですね。練習はさぼりがちのくせに。

 

そして。こんな時期だからこそ。

混沌を生み出してくれる全ての人に感謝を捧げたいです。

願わくば、我々も彼らもこの苦境をどうか乗り越えていけますように。

*1:めちゃくちゃ好きな女優の一人です。もちろん一番有名なのは「俺たちに明日はない」ですが、個人的には「チャイナタウン」の哀感がたまらないですね...

俺たちに明日はない (字幕版)

俺たちに明日はない (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
チャイナタウン (字幕版)

チャイナタウン (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

共演あのジャック・ニコルソンだし。俳優の中ではどんな美男や個性派を持ってこようが私の一押しは不動のニコルソンです。そして彼の「シャイニング」は好きな映画不動の一位。

シャイニング (字幕版)

シャイニング (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

Across the Universe

最近に始まったことじゃないんだけどここ3年ばかり仕事でどうしても英語を使わないといけない環境に追い込まれているのです。

しかし仕事で浴びる以上に勉強するほど気力体力時の運がないもんだから、せめてもと日本のドラマを封印して、ひたすら英語が主音声の海外ドラマ(ただし日本語字幕で…全然話わかんないから…)だけみるようにしていたのですね*1

 

なかでも一話完結のミステリが大好物で、それ系は果てしなく拝見しております。コロナ禍の影響で自粛タームであるから、コンテンツ視聴時間も何倍かに増えているわけです。

 

最近だとアマプラにある「ミステリー in パラダイス」が好きですね。南国感溢れるってシャーロック・ホームズ*2ミス・マープルみたいな伝統的英国ミステリ好きとしてはどうなのよそれ、と思ったけど、さすがはBBCドラマ、筋書きがちゃんと謎解きとして丁寧だったり、かつ登場するキャラクターも魅力的だったりして(結構激しい代替わりはあるものの)、すっかりはまってもう4シリーズ目です。

 あとはネトフリの「リアル・ディテクティブ」。これは実際に解決された事件を基にした再現ドラマを担当刑事役が語る形式のミステリで、全て実話がベースだから非常に重く、かつ無駄な味付けがない。生々しい展開に毎回ひきこまれて、実話ものに今後いろいろ手を出してしまいそうです。

 そういえばアカデミー賞受賞式はみたものの、肝心の本編は結局みずじまいだった*3あのフェイ・ダナウェイがお騒がせした「ラ・ラ・ランド」をネトフリでちゃんと通してみてみました。

というのも、ジムがわりに通っているバレエの教室*4のレッスンで使うピアノ曲に、「ラ・ラ・ランド」の挿入歌の "Audition" が使われていると探し当てて、とても好きな曲だったからちゃんと映画もみてみようと思った次第なのでした*5

ラ・ラ・ランド」自体は、まあまあいい映画だな、という感じ。冒頭のダンスシーンは美しく、あと使われている曲はなかなか。

でもエマ・ストーンの顔がちょっときつい…なんかもうこいつライアン・ゴズリング振るだろ?絶対振るだろ?って目にみえてるんですよ…ライアン・ゴズリング好きだし私…*6

とはいえ。この映画でいちばん私に"ささった"曲は、やはり"Audition"で、かつこの映画のハイライトは実はこのシーンなのでは、と思うほど、素晴らしかったです。

詩的なもの、素晴らしいもの、夢に生きるってどういうことか。それをあのワンシーンに凝縮させていたと思うのです。この映画の価値はあのシーンかなと。

で、これ、訳してみたいな、とふっと思ったのでした。

そういえば先日の投稿でMoon Riverをやってみて結構面白かったっけ、私は洋楽がしこたま好きでもあるのだし、この勢いで歌詞の和訳でも趣味にしてみるといいんじゃない、と気づきました。

 

というわけで週1くらいでがんばって歌詞の和訳をするブログになるぞー。

 

でも最初の曲はAuditionじゃないんですよ笑

 

最初の曲はThe BeatlesのAcross the Universeです。

最初から超絶難解でいいんかいと思うものの。

やっぱり挑戦は大事ですよね。

 

というのも、仕事のメール報告などで、しばしば上司(英語が堪能な日本人)が Across という言葉を使うのを目にしており、ん…?と思うことが多々あってですね。

acrossは私には交差して渡っていくというイメージしかなかったのですが、その概念はどうも私が思っているよりも広そうだぞ?と。

acrossという言葉をぷいと適当にWeblioで引いてみると*7、山のような例文が出てくるのでありますが、その概念は決して一つではないのであります。

ていうか "across the world" って引いてみたら、例文にあったこの一文、感動しちゃった。

and minute by minute the white snow flashed across the world, and vanished, and was followed by the bright, brief green of spring.
そして一分ごとに白い雪が世界にちらついては消え、そしてまばゆく短い春の緑に取って代わられました。 - H. G. Wells『タイムマシン』

このacrossは多分Across the universeに近いacrossで、何かを覆い尽くしていくイメージ。

一方。acrossにはもちろん何かをまたいで*8 越えていくイメージもあって。例えばアメリカが生んだ秀才童貞バンド*9 Weezer には Across the Sea という曲がありましたよ。

You are eighteen year-old girl who live in small city of Japan
You heard me on the radio about one year ago and you wanted to know
All about me and my hobbies
My favorite food and my birthday

君って日本のちっちゃな街に住む18歳の女の子なんだって

一年前にラジオで聴いた僕の歌に

もう夢中になっちゃって

僕のこと全部知りたいって思ったって

趣味だとか好きな食べ物だとか誕生日だとか

とにかくなんでもかんでもさ

 

Why are you so far away from me?
I need help and you're way across the sea
I could never touch you – I think it would be wrong
I've got your letter, you've got my song

なんで君ってばまだそんな遠くにいるの?

僕は寂しくて溺死寸前なのに、なんで君は海の向こうなの?*10

君に触れることもできないなんて それってまじでおかしいよ

僕には君の手紙が届いて、君には僕の歌が届いたのに

冒頭からliveにsつかないのなんで?とか "a" small city じゃないのなんで?とか英語が下手だからこそ突っ込みたくなってしまう中学校英語文法脳なんですが。これってyouを受けているからなの…か?誰か英語上手い人、教えてください。

すごくいい曲なんだけど会ったこともない18歳に妄想しまくりのロリコンだし、さらに2番の歌詞はもっとむちゃくちゃアレだし、その上リヴァース実際日本人と結婚してるんですよね。でAcross the Seaかよ!うわキモっ!とどうしても思ってしまうんですよね。いや別にWeezerのこと嫌いではないんですよ。てかブルーアルバムもグリーンアルバム*11 もたぶん持ってたし*12むしろ好きなんですよ。結構いい曲あるし、例えばIsland in the Sunとかさ、これは最高ですね。珍しくキモ童貞感はなく大人の哀感がある曲です。

でも Across the Sea は "君は18歳の女の子で〜ラジオで僕に夢中で〜もう超会いたいなんで君に触れないの〜君のXXをXXしちゃうんだよ〜" とか大声で歌っててキモくないですかやっぱり。

 

おい道草してると全然 Across the Universe にならないよ!!!

もう無理やり引用しよう。

Words are flowing out like endless rain into a paper cup

They slither wildly as they slip away across the universe

言葉は紙コップに降り注ぐ止まない雨のように

溢れ出してずるずると止めどもなく宇宙の果てまで流れ出していく

ふーむ、味わい深い、と思うもののね?

Lyrics, across the universe, ででぐぐると、冒頭からごく微妙に歌詞違うパターン2種類出てくるんですよ!?それってどう思います??

2文目がさ、サイトによっては

They slither while they pass, they slip away across the universe

通り過ぎていく間もずるずると這って、宇宙の彼方に滑り出していく

ってなってるんですよ?

まじ、何?原典版をくれないか??

 

ちなみにこのslitherって言葉、意味知らんわーと調べたら、Slither.ioというウェブゲームがあるらしいことを知りました。


どうもカラフルなみみずがうねうねと進むゲームのようで*13、つまりslitherってこういう感じの言葉なんですね。私ゲームだけは全くといっていいほどやらないので知らんかったです。

Pools of sorrow, waves of joy are drifting into my opened mind

Possessing and caressing me 

悲しみの池、そして喜びの波が開け放たれた僕の頭の中に押し寄せて

取り憑きそしてなで回す

な、なんか曲調と違って、案外おどろおどろしいんですね…? からの、

Jai Guru Deva Om...

ですが、もうこれはビートルズといえばインド、ってことで要はインド礼賛、インド万歳的な何かだろうと察せられるけれども一応意味をつかまねば、とぐぐり始めたら一発でこの方のブログ読めば良くね?ってなりました。

Nothing's gonna change my world

Nothing's gonna change my world

Nothing's gonna change my world

Nothing's gonna change my world

なにものも僕の世界を変えることはできない

なにがあっても変わらない

どんなことでも変えられない

決して変わることはない

変わらぬ変わらぬとなんと4回も繰り返すのである。

ダメ押しするのである。

Images of broken light which dance before me like a million eyes

They call me on and on across the universe

砕け散った光の残像が僕の目の前で百万もの瞳のように踊り

宇宙の果てからおいでおいでと僕を呼ぶ

ここはなんかシャンデリアとかがガッチャーン、と派手に床で砕け散るイメージでした。

その破片に光がきらめいてチラチラ目が眩しいような感じかなと。

でも完全にラリってますね多分これ。

で、このフレーズ再び。

Jai Guru Deva Om...

Nothing's gonna change my world

Nothing's gonna change my world

Nothing's gonna change my world

Nothing's gonna change my world

光ろうがなんだろうが変わらぬのじゃ。

Sounds of laughter shades of life are ringing through my open ears

Inciting and inviting me

Limitless undying love which shines around me like a million suns 

It call me on and on across the universe

笑い声、生活の影、そんなものが僕の開け放した耳を突き抜けて鳴り響き

僕を駆りたて僕を誘う

尽きることのない不滅の愛が僕の周りで百万もの太陽のように輝き

宇宙の果てから僕を呼び続ける

最後のここだけ妙に希望に満ちていると思う。

突然ポジティブになりました。からの、

Jai Guru Deva Om...

Nothing's gonna change my world

Nothing's gonna change my world

Nothing's gonna change my world

Nothing's gonna change my world

 

Jai Guru Deva

Jai Guru Deva

Jai Guru Deva

Jai Guru Deva

Jai Guru Deva

Jai Guru Deva...

Jai Guru Deva 責め、で締めるのである。

もっとふんわり浮遊感のある歌だと思っていましたが、いざ訳してみると、なんだか虚無感が強いですね。

しかし口ずさむのには最適すぎる歌ではあります。

なぜなら、Across the XX、という上司の文をみるたび、実は私の頭の中でいつも Nothing's gonna change my world と Jai Guru Deva が延々リフレインしちゃっていたからなのでして。

まあそれはこれまでもこれからもそれこそ Nothing's gonna change my world として続いていくとしても、少しだけこの曲とAcrossのことを理解できたかなと。ついでにいろんな曲や映画のことも思い出したかなと。

 

そして最初のエントリーには仲々悪くはないのではないかなと。

思いながら筆を置くのでありました。疲れたよ、久々に書いたから。

Let It Be

Let It Be

  • アーティスト:Beatles
  • 発売日: 1991/07/20
  • メディア: CD
 

*1:まあ、アニメだけは日本語でみちゃうけど。だって日本原産だし。みたいアニメは英語字幕にならないし

*2:しかしBBCの「シャーロック」はもう, Second to None, ですね。原作を忠実に映像化はもうしなくていいから「シャーロック」の新作くれよってなるほど素晴らしい。DVD全巻持ってます。本もいろいろ買っちゃったし、なんなら二次創作できそうなほど見たおしました。でもシャーロックの英語は超速すぎて、字幕でも全然追えないw

*3:私はちゃんと世情を反映してくれている米国アカデミー賞受賞式が大好きで、毎年必ずみております。この時期にそのためだけにWOWOWを契約してます。2020年の「パラサイト」総なめはめちゃくちゃ興奮したなー。このブログで10年前くらいにエントリーしていた頃と違って、審査メンバーが入れ変わってるらしく、だから米国でない、韓国の作品であっても作品賞がとれたりするらしいんですけどね。「ブロークバック・マウンテン」の悲劇は今や昔なのです。故ヒース・レジャー、この映画でとてつもなく哀しい役を演じて美しかった…

パラサイト 半地下の家族 [Blu-ray]

パラサイト 半地下の家族 [Blu-ray]

  • 発売日: 2020/07/22
  • メディア: Blu-ray
 
ブロークバック・マウンテン [Blu-ray]

ブロークバック・マウンテン [Blu-ray]

  • 発売日: 2013/09/25
  • メディア: Blu-ray
 

*4:こんな世の中でダンサーの人たち、ひいては芸能関係の全ての職業の従事者は、どんなにか辛いだろうといつも思ってしまって、レッスンは休まず通っているのですが、休まず通うのが果たして先生にとって良いことなのだろうか、万が一私が無症状感染者だったらリスクでしかないわけだし…などと考えたりもします。ちなみに私が教わってるバレエの先生、バレエ団に所属している現役のダンサーの方で、今まで私が習ったどんな先生よりスパルタかつ丁寧で、その上とっても清らかな水のように美しい雰囲気で本当に素敵なんですよ。私の生ける推しです

*5:バレエを通じて好きになったアーティストは他にもあれこれおりまして、例えばルドヴィコ・エイナウディ。出会えてよかったーと思うし、なんで今まで知らなんだとすら思いました。

あとはこれ。ずっと知りたくて知りたくて、Apple musicをバレエ、レッスン、とかで検索しまくっても見つけられず、結局先生にCD見せてもらって知ったのはこの曲。なんとアンドレ・ギャニオンでした。

L'amour rêvé

L'amour rêvé

  • provided courtesy of iTunes

昔日本のドラマ「Age, 35 恋しくて」に使われてたそうですね。さすがに知らないや… 

*6:ライアン・ゴズリングでいち推しなのはなんといっても「ドライブ」!アメリカの多部未華子ことキャリー・マリガンがまた激かわいい。

『ドライヴ』Blu-ray【日本語吹替収録版】
 

そしてこの音楽!!!Electric Youth というこのバンド、最高です。いろんな人にすすめまくったアーティストです。

A Real Hero

A Real Hero

  • College & エレクトリック・ユース
  • ダンス
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

*7:オンライン辞書っぴき野郎はWeblio派とアルク英辞郎派にきれいに分かれるのであるが、私は学生時代はアルク派だったものの、ここ数年は例文の豊富さからすっかりWeblio派になりました。アルクのなんかぼかし入れたりする出し惜しみ感が本当に無理でね…そこいくとWeblioは適当なフレーズコピペしても該当する例文を出してきてくれたり本当にサービスが良いのです、いつも本当にありがとう…私がなんとか体裁を保てているのはあなたが早引きさせてくれているからだよ…

*8:またいで、といえばまた思い出してしまう歌があるのです、安室奈美恵さんの「Baby Don't Cry」。このサビの "そうだからBaby 悲しまないで" を私は "そうだからBaby 彼氏またいで" だと思っていたんですよね〜。なんか寝坊しているダメ男を早起きしてぐいっとまたいでかっこよく仕事に向かう、自分で自分を鼓舞するキャリアウーマンとかを連想していたんですよね。いや良くないですか彼氏またいで出かけるの。

*9:フロントマンのリヴァース・クオモがハーバード卒、っていうかハーバード進学するためにバンド休んだりしてた、あと童貞というのは単なる私の印象の話でして別に事実じゃないです。よく考えるとこんだけ売れてるしかも現存してるバンドですいっとハーバード卒って割と恐ろしいほどの才能だな、童貞とかキモいとかずけずけ言ってほんとごめんなさいね…

*10:このyou are way across the seaというのが向こうにいる状態なのか海を渡ってる途中のbe on a way状態なのかすら私には判別しづらいんですよね、どっちなんすかね

*11:青い。

Weezer

Weezer

  • アーティスト:Weezer
  • 発売日: 1994/05/10
  • メディア: CD
 

緑色い。 

Weezer (Green Album)

Weezer (Green Album)

  • アーティスト:WEEZER
  • 発売日: 2003/05/26
  • メディア: CD
 

 

*12:もう売ったかもだけど

*13:ミミズというとさ、スケバン刑事の漫画を思い出すんですよ…お前の人生ミミズにくれてやると思えというあの名言…いやグロいんで思い返したくないんですが、高校の時にクラスみんなで回し読みしててさ、あのシーン忘れられないんですよね…

『スケバン刑事』全12巻セット

『スケバン刑事』全12巻セット

  • 作者:和田慎二
  • 発売日: 2009/09/19
  • メディア: コミック
 

My huckleberry friend

Moon Riverという世紀の大名曲がある。

 

数々のステージやカフェやバーやレストランやホームセンターやスーパーや商店街や…ありとあらゆる場所でかかりまくっているあれである。

知らない人の方が少ないくらいの名曲である。

 

もともとは「ティファニーで朝食を」というこれまた世紀の大名作映画の中で、世紀の名女優のオードリー・ヘプバーンによって歌われた。

歌唱力が信頼されてなくて口パクになりかかったんだとか。

ティファニーで朝食を (字幕版)

ティファニーで朝食を (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

(別の世紀の名女優カトリーヌ・ドヌーブも歌唱力クソだと思われてたってエピソード聞いたっけな。「シェルブールの雨傘*1ってば全編吹き替えだもんね)

 

なんかうっかりお蔵入りになりかけたものの結局は使われ、そして世界を駆け巡るという。

オードリーが一番この曲をわかっていた、とは作曲者のヘンリー・マンシーニの言だそうで。

 

つい最近。ふとしたきっかけでこの曲が頭の中に浮かんできた、というのも。

 

我々の世代の大ヒット漫画「ハチミツとクローバー*2の中に、主人公群のひとりの真山という割といけてる男の子が年上の足元も精神的にもちょっとあやうい女に惚れてしまっているのだが、それというのも彼女がひとりでいるときにムーンリバーを口ずさんでいた、ムーンリバーが恋に落ちたきっかけだった、そんで着メロもムーンリバーにしている、というエピソードがあって。

 

最近一緒に仕事してた同僚氏がふとしたことで美大出身と聞いて思わず、うわー美大超憧れます!ハチクロとか!

と口走ったためになぜかムーンリバーのことを思い出してしまった、という経緯でした。

 

それはそれとして。

このタイトルに書いた“My huckleberry friend”という一節、本当に天才だよな、素晴らしい歌詞だな、と考えただけで泣けそうです。

 

がしかし。

私はいままで歌詞の全貌を知らなかったのであり。

じゃあこれを機に調べてみたらワイドンチュー?というわけで。

幸いApple Musicを利用しているので、聴きたくなったらすぐ歌詞つきで聴ける。

(カラオケがとんでもなく捗る機能ですよね)

しかもオードリーのバージョンで。

そりゃあ米津玄師もサブスク解禁するってよ。

関係ないけど『桐島、部活やめるってよ*3のタイトルも相当な大傑作だと思う、小説読んだことないし、申し訳ないがそれほど読みたくもならないのだけど、このタイトルの天才っぷりからするときっとよい小説家なんだろうな朝井リョウ氏、と察せられます。

桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)

桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)

 

 

で、なんと2, 3度みたらあっさり覚えられるくらい短い歌詞だった。

いま↓打ったけどほぼ覚えてた。

確認してaとtheがいっこ違ってたくらい。 

Moon river, wider than a mile

I'm crossing you in style some day

Old dream maker

You heart breaker

Wherever you going

I'm going your way

 

Two drifters

Off to see the world

There's such a lot of world to see

We're after the same rainbows end

Waiting round the bend

My huckleberry friend

Moon river and me

 

最近の私は仕事でゴリゴリ英語筋トレみたいな状況にあってそれはもう毎日辛いことこの上ないのだが*4、このくらいの英文だとさすがにお、こいつはあっさり読めるありがてえ、と思うくらいにはなってるので、訳してみむとてするなり。

 

Moon river, wider than a mile

ムーンリバー、お前は広い

向こう岸は遥かに一マイル

I'm crossing you in style some day

でもいつかさっそうと渡ってやるんだ

Old dream maker

幼い頃の夢であり

You heart breaker

心臓破りの挑戦だった

Wherever you going, I'm going your way

お前が流れつくところに僕もついていこう

 

Two drifters

僕とお前は流れ者

Off to see the world

世界をみるため流れ旅

There's such a lot of world to see

世界は見尽くせないほど果てしもないが

We're after the same rainbows end

僕らは同じ虹のふもとに行き着くさ

Waiting round the bend

あの角を曲がった辺りで待っていて

My huckleberry friend

僕らはトムとハックのように

Moon river and me

寄り添いながら旅してる

ムーンリバーと僕

 

最初I'm crossing you in styleで詰まって、あなたを交差…?何…?ってなったんですが、youがMoon riverだとわかってからは( ゚д゚) ハッ! となりました。

これを月の川としてしまうと急にえっ天の川?(ちなみにそれはMilky way)などを彷彿とさせて雰囲気はあっても意味が曖昧になるのですが、でもMoon riverが実在の川というエピソードをどなたかのブログなどで見たのであっとひらめいたのでありました。

 

ハチクロのせいか「ティファニーで朝食を」のストーリーのせいか(みてないですが)、ロマンチックな恋の歌なんだろうなと勝手に思っていたのですが、川の歌だとするとしっくりくるし、オードリーのあの正体不明かつ寂しげな感じが際立って良いと思います(みてないですが)。 

heart breakerはこうじゃないだろうなと思いつつも幼い日に川を渡ろうとして息も絶え絶え、というイメージにしてみました。少年が川に挑む、よく晴れた夏の日の、川の水がざぶん感を伝えたいですね。

the same rainbow endも美しい一節ですね、虹の根っこには黄金が入った壺があるかなんかでしたっけ?

オズの魔法使い」はOver the rainbowですが。*5

とはいえ川でもあり、かつ川になぞらえた幼なじみや生涯のパートナーの歌かもしれないと思うとそれもまたよし、なんといってもハックルベリーフレンド、というこの一節、その響きと概念が本当に素晴らしく例えようもなく美しい、そういう相手なり場所なり物なりが自分の人生にもあれば老いるもまたをかし、とふと自分が幼い頃に暮らしていたど田舎の風景に思いを馳せたのでありました。

 

ちょっと恋バージョン、女→男でもやってみようか。

 

Moon river, wider than a mile

私のムーンリバー

一マイル泳いでもあなたまで届かない

I'm crossing you in style some day

でもきっといつか届いてみせるから

Old dream maker

旧い恋の夢と

You heart breaker

未だに続く恋の痛みをくれた

Wherever you going, I'm going your way

あなたにどこまでもついていくの

 

Two drifters

あなたと私

Off to see the world

広い世界であてもない旅

There's such a lot of world to see

見尽くせないほど広くて迷子になりそうな世界

We're after the same rainbows end

でも同じ虹のふもとを目指してる

Waiting round the bend

だからあの角を曲がった辺りで待っていて

My huckleberry friend

私のハックルベリー・フィン

Moon river and me

ムーンリバー、ふたりならどこまでも

 

いやこれはこれで。自画自賛ですが良いですね。

Old dreamがheart breakだとして、でもI'm goingだから、幼なじみへの今も続く恋の歌なんでしょうか。単なる片思いではなく、遠く離れたところにいるもはや人生の相棒となりつつあるだれかに向けた歌というか。

 

なんだかいまがみるべきタイミングのような気がするから、夏休みにでも拝見しますね、「ティファニーで朝食を」。

 

※後日注: ちゃんとみました!夏休みに。この映画の最大の魅力は冒頭のティファニー前でデニッシュをかじるオードリーでした!まじで完璧に美しい。それからオードリーのムーンリバー。猫がカワイイ。ファッションが素敵。話は割とどうでもいい。

多分カポーティーの原作読んだほうがいいのかもしれませんね。どうやら映画とは全然違う話らしいです。 

*1:私がラストで必ず泣いてしまう映画その1。カラフルで悲しくて美しいのです。

シェルブールの雨傘(字幕版)

シェルブールの雨傘(字幕版)

  • メディア: Prime Video
 

 

*2:ハチクロには全然はまらなかったですねしかし。なんかギャグがしんどいし、最後のハグと森田さんが結ばれるあたりだけはとても良いけどあとは全編いい子ちゃんの話で。なにより事故でしめるのはなんかあかんと思う。

ハチミツとクローバー 1

ハチミツとクローバー 1

 

 

*3:神木きゅん、いい感じに育ってくれましたね... 

桐島、部活やめるってよ

桐島、部活やめるってよ

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

*4:というのも自分は日本語が得意だからなのです。英語の文だと一瞬たりとも自画自賛、悦にいったり楽しくなったりなどできやしない、圧倒的な語彙力不足と、こういうシチュエーションのときなんていうか的な事例知らずのせいで、下手なことはとてもよくわかるもののだからってうまくは到底なれない。楽譜読めるしリコーダーは吹けるのにフルートは吹けるようにならないなぜなら訓練しないと音が出ないからとかと一緒で非常にしんどい

*5:そういえばジュディ・ガーランドの伝記映画「ジュディ 虹の彼方に」も気になってます。レニー・ゼルヴィガーがアカデミー主演女優賞を受賞しましたよね。私レニー・ゼルヴィガーに顔が似てるって言われたことあるんですよ、「ブリジット・ジョーンズの日記」の三作目(ダメな私の最後のモテ期)をみた某友人から。悪気はないかつむしろ良いイメージがあって言ってくれたんだけどそうですかブリジットですか…ってなるよね。

しかしブリジット・ジョーンズのシリーズはあの英国名作文学の『高慢と偏見』の本歌取り、いやリミックスというべきか、だから侮れないのですよね。

高慢と偏見 上 (ちくま文庫 お 42-1)

高慢と偏見 上 (ちくま文庫 お 42-1)

 

Lucid Dreams

Juice WRLD、ジュース・ワールドが亡くなった。

全て作られた伝説なんじゃないか、漫画か映画かなにかのよくできたストーリーなんじゃないかと思うほど若すぎる天才の夭折だった。

私はヒップホップやラップはよくわからないので今まであまり聴いてこなかった。
つまり知識も下地も琴線もない。
それなのに彼の曲だけは嘘みたいに、心のもう枯れかけた部分にぶすっと刺さって、むりやりに養分を流し込まれるみたいに届いて、しばらく忘れてた音楽へのときめきやらなんやらを引きずりだされてしまう、そんな感覚になる。

普段なら絶対出会わない曲なのだが、学生時代から参加している某サークルの、その年のビルボードTop100を歌うという年末イベントに参加すべく、昨年末に付け焼き刃で歌えそうな歌を物色しているときに出会った。
2018年は彼のLucid Dreamsだけが私のアンテナに唯一ひっかかった曲だった*1
スティングのShape of My Heartのサンプリングなんてそりゃロックファンはあっさり心わしづかまれますよ。*2

シェイプ・オブ・マイ・ハート

シェイプ・オブ・マイ・ハート

  • 発売日: 2018/07/19
  • メディア: MP3 ダウンロード

去年のいまはつらい時期だった。
つらいことをてきぱきと片付けた夜、私はこの曲をかけっぱなしにして歩いた。
冷静なつもりだったが、片付けたことへの変な高揚感にわなわなと震えながら、足がもつれるかと思うほどの速さで西新宿の地下道をずんずん歩いた。
歩きながらLucid Dreamsをイヤホンで聴きながら小声で歌った。
それから歩道橋から欠けた月をみた。
きれいな月だった。
他の人も立ち止まって写真を撮っていた。
私も他の人にまぎれて撮った。

この曲では誰かが私のことをそう思ってるだろうと思ってるようなことを歌ってた。
私は彼の歌を聴いて、自分が悲しいというよりもその誰かが私のことを考えて悲しいと思ってることを想像して切なくなった。

それからしばらくこの曲は封印していた。
同じ時期に聴いていた他の曲は平気でも、この曲はどうしても昨日まで聴けなかった。
彼が急逝してはじめて聴き直した。
私のつらい時間はもう過ぎたけど、その時に感じた切なさは曲の中に閉じ込められていて、聴くと少しだけリアルに思い出せる。

今年のTop100の100位に入っていたRobberyをさっき聴いた。
どうかすると幼いくらいに柔らかい声と、ふわっと浮き上がるような旋律。
余りにもセンスが良すぎる、バックに流れるピアノのサウンド
ポストロックみたいなサウンドとラップを合わせるなんて。
私のような偏屈までもあっさり取り込まれてしまう。
何が良いのか解明しようとする頭でっかちな音楽オタクの精神もすり抜けていく。
ただ不思議に良い。

天才があまりのスピードで駆け抜けると早死にしてしまうという典型的な例をみてしまったと感じている。
佳人薄命。
なんとなくリヴァー・フェニックスを思い出した。

天国に召されてしまったから、我々は地上に遺されたわずかな音源を聴くしかない。
でも天国に行く前に地上にも少しだけ遺してくれて良かった。
天に昇る前に間に合った。

RIP.

youtu.be

Goodbye & Good Riddance [Explicit]

Goodbye & Good Riddance [Explicit]

  • 発売日: 2018/07/11
  • メディア: MP3 ダウンロード

*1:次点がBenny BlancoのEastside。これも切ない曲でしたね。ちなみに両曲とも今年も流行っててチャートにインしてたからボーナス曲として今年も歌えるな

Eastside

Eastside

  • 発売日: 2018/07/12
  • メディア: MP3 ダウンロード

*2:映画「レオン」でますます売れた大名曲ですね。トランプのマークが順々に歌詞に織り込まれていて、that's not a shape of my "HEART"とハートでオチがつく。大変おしゃれです。あとナタリーポートマンの最初にして絶頂期がこれ。マチルダ可愛すぎるまじで。異論は認めん。

レオン 完全版 (字幕版)

レオン 完全版 (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video

Pour être heureux!

ミシェル・ルグランが亡くなったそうです。

シェルブールの雨傘」は最も有名でしょうが「ロシュフォールの恋人たち」の溢れる音の洪水も忘れられません。

オリーブ少女たちの憧れカルチャー映画であるゴダールの「はなればなれに」でも、壊れたおもちゃ箱のように軽やかなテーマ曲を奏でてくれました。

このブログのどこかで絶対泣いてしまう映画のワンシーンとして「シェルブールの雨傘」のラストをあげました。

何が悲しいって、それなりの幸せに包まれていても、かつて心から欲しかった幸せはもう絶対に手に入らない、後戻りができないところまで既に人生が進んでしまったということなんですよね。

戦争によって引き裂かれた若い二人。
失われた彼らの愛と夢と希望。
どんなに年月が過ぎても、それらの不在と喪失は、二人の人生にそれぞれひっそりと影を落とし続ける。
二人が互いの子どもにつけた名前がまさにその象徴です。
生きている子どもでありながら、すでに死んだ愛の形見でもある。
毎日呼ぶことになる子どもの名前に、かつての恋人たちの幸せだった日々の片鱗を残すことの意図はなんなのか。
おまけにドヌーブ演じるジュヌヴィエーブの子どもは事実元恋人のギイの実子であるのだから。
毎日子どもの名前を呼ぶたびにかつての恋人とその不在を実感するのではなかろうか。
むしろそうしたかったのかもしれませんね。
忘れたいのではなく忘れないという意志なのかも。
過去の幸せだった日々と、何処かで生きている相手に誠実であろうとする故の。

ロシュフォールの恋人たち」は打って変わって超明るい雰囲気です。
カラフル、ポップ、最初から最後まで夢と希望と愛と歌とダンスにこれでもかってほど溢れてて、みんながみんな、しらじらしいほどハッピーになります。
あいつもこいつもくっついちゃって、まあうまくできてること、的な。
シェルブールが悲劇だったから今度は明るい映画を撮りたかったと監督が言っていたと、どこかで読んだ気がします。
ロシュフォールのサントラのライナーノーツだったかな。

冒頭でかかる「キャラバンの到着」は、かつて車のCMに使われてて、十数秒のうちに曲名のクレジットが出ないかどうか目を凝らして必死に探したのを覚えてます。
当時は今ほどネット社会じゃなかったから曲名なんかすぐわかんないんですよデジタルネイティブの皆さん。
CD屋に行って店員の前で下手したら歌うとかあったんですよ。
しかも店員もそれがわかるくらい音楽オタクであることを期待されるという…
(実際店員に歌ってる人見たことあります。おいそれ普通にビートルズやんけ!って店員でもない私が心の中で突っ込むくらいそこそこメジャーなビートルズの曲でしたが。Get Backとかそのくらいの)
まあとにかく頭の中をその曲でいっぱいにしたくなるくらい、超絶かっこいい曲だったんですよ、当時の私には。

東京は阿佐ヶ谷にある40席くらいしかない小さな映画館でロシュフォールを上映した時には、諸手をあげて観に行ったものです。
感動のあまりリマスターされたサントラを購入し、6畳の狭い自室で、何度も何度も繰り返し聴きこみました。
「夏の日の歌」はフランス語大して習ってないうちからそこそこ歌えてましたっけ。
思えば「愛せよ、歌えよ」という歌詞は、シェルブールのようなわかりやすい悲劇ではないにせよ、かつて悲劇があったからこその、悲痛な願いが込められたものだったのかもしれません。
ロシュフォールの明るい日差しで、悲劇の影を全部消して回ったような、幸せに満ちた映画でした。

この2つのミュージカル映画には、ルグランの音の魔法がアイシングの砂糖のように、全編にわたってもれなくふりかけられています。
時にはスパイスやお酒をきかせつつ。
ひと匙味わうだけで、たちまち魔法のように映画の世界に没頭させられる。

私をわざわざフランスまで連れ出してくれて、ありがとう。
おやすみなさい、天国で。

フェミニズムと食あたり

ずっと以前に書いて放置して今更アップですがしかし。2018年に何も書かないのも良くないからという言い訳投稿です。

10/11は世界ガールズデーだったそうで。
フェミニズムが不快感を催す言葉になりさがっている、なぜなら女性だけが自分の権利を声高に叫んでいるように見えるから、と国連でエマ・ワトソンさん*1が立派なスピーチをされたそうで。
トゥイッター辺りでばずっておりました。
そりゃーもっともなことだと思います。

が。

なんかお前に言われたくないよ感がわいてくるのは何でなんすかね。
綺麗で賢くて地位も名声もあって愛されて育ちましたとか言われてもああそうかい、じゃあ恵まれてるアンタには一生酷い場所で暮らさざるを得ない人たちのことなんかわかんねえわ、としか思えません…

同じ女性ならブリトニー・スピアーズさんあたりに言われたいですねむしろ。
クソな野郎*2が多いのは確か。特にギャラの面でも女は不利だしね。けどあきらめないで。素敵な奴らもたくさんいるさ。男性の皆もさあ声を上げて。アタシ達なら一緒にもっといい世の中にしていけるよ!
とか言われた方が説得力百万倍なんですが。
まあ国連だから型にはまった綺麗なお嬢さんのほうがそりゃいいんでしょうよ…
そのうちイギリス王室に殴りこんだあの元女優あたりがスピーチしてくれると面白いなと思ってたんですが、もうしてるやんけ。
https://youtu.be/WBdqP84syLM
生い立ち経歴が偏見打破を体現してますよね*3

話はそこじゃなくてですね。
フェミニズムとは何かですね。
フェミニズム=女性の権利を振りかざすことでは勿論ないですね。
そう思ってる人の知識はウーマンリブ全盛期の1960年代あたりのタイプライター使ってるがごとくに錆びついてますね。
フェミニズムの定義を件のエマさんのスピーチさんから取ってきますと。

"The belief that men and women should have equal rights and opportunities. It is the theory of the political, economic and social equality of the sexes."

ネイティブじゃないけど訳してみますと、
“男性と女性が同等の権利と機会を持つべきだとする信条。政治的、経済的、社会的にいずれの性も平等であるという理念”

ということはですよ。
プレゼンターは男性でもいいじゃん?
ジェイ・Zさんあたりがやる方が俄然かっこいいし、はるかに啓蒙になると思います。

…今最高にクールな男性セレブが誰かわかんないので、取り急ぎセレブってるジェイZを持ってきてみたんですが。
もはやドレイクさんあたりですかね。

私としては。
性差を超えて、人間が当然与えられるべき権利を享受して生きられるよう、社会及び個人が寛容であろうと努めること、的なものだと思っております。

要は性別はどっちでもいいんです。
ただし女に生まれてみると色々あります。
男性が思ってるのの数十倍そういう目にあっています。
女性に生まれて良かったなと思うのはトイレで常に個室が使えることくらいです。
他人に性器を見せず大だとか小だとか生理だとかを知らせることもなくプライバシーを保てるのは仲々ありがたいです。
特に私は胃腸が弱いので、マジでそう思います*4

夜遅くに道を歩くのにかすかな恐怖をずっと感じるとかないですよね?
子どもの頃に変態に誘拐されるかもとか、海外に行った時スリにあうかもとか、そういうのと同じような、起こるかどうかわからないけど気をつけざるを得ないかすかな恐怖ですが。
それが「犯されるかも」なわけですよ。

「犯されるかも」という恐怖は、性的に暴行されたとか暴行まではいかなくとも危険な目、不快な目にあった経験がないと恐らくわからないのではないかと。
*5

かように普通に生きるだけでも若干のハンデなのに、性別を理由に就職やら昇進やら、つまり金目の話で差別されたら噴飯やるかたなし、もう裁判もんじゃねえかと思ってもいいわけですよ。
東京医大の件のように明確なディスでなくとも、地味に流れる空気やムードが差別だったりするんですよ。
その上差別の担い手が異性ばかりでなく同じ思いを共有できるはずの女性だったりもするという。

まあしかし。
男性なら生きやすいということも勿論ないわけで。
月に向かって「僕の童貞をあげよう」とか叫ぶ少年の話が川端康成の短編にありましたけども。*6
月に向かって童貞よ♡…
全く共感できないけど、なんか男性って大変なんだなと少し同情しました@16歳くらいの私。
もし私が男性で、いわゆる男性らしさを求められたらきっと吐き気がしますね。
「こうあるべき」という意味のない同調圧力が大変苦手なもので…*7

女性への気後れや、嫌でも性の対象として女性を扱うことの生物学的どうしようもなさなどは、まあ仕方ないと思わないでもないです。

ですが。
どうか男性嫌悪の女性に対しては、きつくあたらないでほしいなとは思います。
男性が性の対象として女性を見るのと同じように、女性は危害を加える恐れのある対象として男性を見ます。
これもまた生物学的反応ではないかと思います。
男性嫌悪はこれがアレルギーレベルにまで達した女性たちです。
そりゃ同じ空間にいられないですよ、恐怖で。
だけど男性側の論理としては「自分は善き人間である。変態と一緒にするな」と思いますよね。
ごもっともです。

そこで。

理解してもらえるような例えを出してみようと思うわけです。

名づけて「牡蠣の食あたり理論」。

牡蠣はおいしく滋養が豊富な食材です。
煮ても焼いても美味しいですが、特に生食はそれはそれはとてもおいしい。
海のミルクとも呼ばれています。

ですが、生食はあたることがあります。
全ての牡蠣があたるわけではなく衛生管理もしっかりさえていても、それでもなおあたることがあります。

一度牡蠣にあたってしまったら、また食べたいと思うまでには大変に勇気がいるそうです(私はあたったことないのですが)
全ての牡蠣が悪いわけではありません。
しかしあたるときはあたるのです。
なぜなら全ての牡蠣にはそれなりにあたる可能性のあるものが含まれているのだから*8
だからあたりたくない人は牡蠣を避け、あまつさえ「牡蠣は危ない!ダメ絶対!!」とか声高に叫んだりするわけですよ。
この過剰反応、牡蠣漁で生計を営む人々にとっては恐怖でしかないですよね。
そして牡蠣漁師と牡蠣反対論者との仁義なき戦いが幕を開けるのである。

もとい。

女性にとっての男性は、あたる可能性のある牡蠣のようなものである。

とまあ私はこんな風に考えているんですが。
共感していただけますかねコレ。

あ、私は牡蠣大好きですちなみに。

*1:よく考えたらこの人ワトソンさんじゃないか。気づかなかったよホームズくん

*2:ブリトニーさんなんか最初は結婚まで処女路線だったんですよ?それをあの才能あるけどクソ野郎のジャスチンチンバレイクがヤったと暴露しやがってからのアレですよ。あいつは一体何様なんでしょうか。インポだと思われたくなかったんでしょうか

*3:バツイチ有色人種との混血ハリウッド女優その上育った家庭が崩壊してて親父がアレだったり姉と絶縁してたりするのがまた味わい深い

*4:未婚子なしなので特にそうかもですね。母親になった人は女性に生まれて良かったと思うものなのでしょうか

*5:時々男性から「痴女にあったけど別に」という意見もあるようですが、この場合は人権侵食感が薄そうだからあまり匹敵しないのでは。もし男性が痴"漢"にあっても同じことが言えるかどうかですかね

*6:多分ここに収録されていたかと。別の短編に「小女郎(こめろ)」という言葉が使われていて、高校時代に親友とそのネタでひとしきり笑ったものでした。

掌の小説

掌の小説

*7:これは教育の成果とかではなく、完全に生まれつきです。3歳くらいの頃に予防接種で泣き叫ぶ周りの子を見て愚かしいなと思って絶対泣かなかったとか、幼稚園の頃に皆がピンク色が好きというのでピンク色が嫌いだったりとか。クソど田舎で育ったから周囲に馴染めなかっただけかもしれませんが

*8:って「もやしもん」で言ってました。ちなみに牡蠣は海をきれいにしてくれるそうな。食べてもうまいとかすごいですね

Like a Rolling Stone

ボブ・ディラン氏が受賞するする詐欺で結局受賞したけど先約で受賞式ばっくれとかいう新たな芸風で世間をにぎわせているノーベル文学賞です。

ちょっとした事情で彼の代表作であるLike a Rolling Stoneを和訳することになりました。
せっかくなので載せておきます。

[ハジマリ]

Like a Rolling Stone

Song by Bob Dylan
Lyrics from Google Play Music
Translation by ハナ ©︎ 2016 all right reserved.

Once upon a time you dressed so fine

Threw the bums a dime in your prime, didn't you?

People call say 'beware doll, you're bound to fall'

You thought they were all kidding you

You used to laugh about

Everybody that was hanging out

Now you don't talk so loud

Now you don't seem so proud

About having to be scrounging your next meal

かつてはぴかぴかにめかしこんで
乞食に小銭を投げてやったじゃないか
あんたの全盛期にさ
口々に言われたな
気を付けろよマネキンさん
今に転落しちまうぞ
みんなからかってるんだと思ってた
うろついてるやつらを笑ってた
今は大きな声じゃ話さない
今は自信満々にゃ見えやしない
明日の食いもんをたからなきゃいけないんだから

How does it feel, how does it feel?

To be without a home

Like a complete unknown, like a rolling stone

どんな気分だい
どんな気がするかい
宿なしになるってことは
名なしの誰かになるってことは
転げ落ちる石のように

Ahh you've gone to the finest schools, alright Miss Lonely

But you know you only used to get juiced in it

Nobody's ever taught you how to live out on the street

And now you're gonna have to get used to it

You say you never compromise

With the mystery tramp, but now you realize

He's not selling any alibis

As you stare into the vacuum of his eyes

And say do you want to make a deal?

とびきりぴかぴかの学校に行ってたって
いいじゃないかミス“孤独”
でもただラリってただけだよな
路上で生きてくすべなんて
誰も教えちゃくれなかった
でも今は慣れなきゃいけない
怪しげな浮浪者なんかお断りって言ってたが
今や思い知ったんだ
あいつはアリバイを売っちゃくれない
あいつの空っぽの目を見つめて
あたしとやるかい?って聞いたときに

How does it feel, how does it feel?

To be on your own, with no direction home

A complete unknown, like a rolling stone

どんな気分だい
どんな気がするかい
天涯孤独になるってことは
帰る家なんかないってことは
まったく誰にも知られない
転げ落ちる石のように

Ah you never turned around to see the frowns

On the jugglers and the clowns when they all did tricks for you

You never understood that it ain't no good

You shouldn't let other people get your kicks for you

You used to ride on a chrome horse with your diplomat

Who carried on his shoulder a Siamese cat

Ain't it hard when you discovered that

He really wasn't where it's at

After he took from you everything he could steal

ジャグラーやピエロがあんたのために芸をしても
しかめ面さえ見せず振り向きもしなかった
そんなことするもんじゃないってわかってなかった
あんたの都合で他人を蹴とばすべきじゃない
昔はシャム猫を肩にのっけた元締めと
ピカピカのメッキをしたお馬さんに乗ってたな
辛かったろう、あいつが本当はひとかどの人物じゃないって気づいたときは
あんたからむしりとれるもの全部持ってっちまった後で

How does it feel, how does it feel?

To have on your own, with no direction home

Like a complete unknown, like a rolling stone

どんな気分だい
どんな気がするかい
身一つで生きるってことは
家路なんかみつからないってことは
転げ落ちる石のように

Ahh princess on a steeple and all the pretty people

They're all drinking, thinking that they've got it made

Exchanging all precious gifts

But you better take your diamond ring, you better pawn it babe

You used to be so amused

At Napoleon in rags and the language that he used

Go to him he calls you, you can't refuse

When you ain't got nothing, you got nothing to lose

You're invisible now, you've got no secrets to conceal

見ろよ教会の塔のてっぺんにいるお姫様やら洒落者たち
あいつらみんな酔っ払って
自分はうまくやったと思ってる
高価なプレゼントを交換し合ってさ
でもそのダイヤのリングはとっといた方がいいぜ
そいつを質に入れてこいよ
ボロを着たナポレオンをえらく面白がってたっけな
奴がコールしてきたらあんた断れないぜ
何にも手に入らねえときはな
何にも失うものがねえときはな
あんたはいまや透明人間、隠す秘密なんかどこにもない

How does it feel, ah how does it feel?

To be on your own, with no direction home

Like a complete unknown, like a rolling stone

どんな気分だい
ほらどんな気がするかい
天涯孤独になるってことは
帰る家なんかないってことは
まったく誰にも知られない
転げ落ちる石みたいに生きてくってことは

[オワリ]

訳してみてはじめてこんな曲だったんだってわかりました。

落ちぶれた売春婦になってしまったかつての高級コールガール*1をおちょくる歌なんですね。

たぶんこの時代のイケイケムードでガンガン路線だったアメリカへの皮肉だったりするのかなと推察します。
冷戦、キューバ危機*2ケネディ暗殺、ベトナム戦争
戦争という悪どい手段で富を得るアメリカの、その虚飾がはがれた後に残るものはただの貧困と孤独である、アメリカはやがて病むという"ぼんやりとした*3"予感のようなもの。
それをこういう比喩で歌にして、さらにアコギをエレキギターに持ちかえて高らかに響かせた。
ローリングストーン誌の歴史に残るロックの名曲500リストのトップに来るのも納得。
ノーベル文学賞もんの音楽革命ですね。

ただライナーノーツを読むとディランはいつも単になんとなく作っただけだし、とにかく自分の作品を分析するような風潮はアホじゃねえかと公言していたそうなので、つまりはノーベル文学賞についてもアホじゃねえかと思っているからあの態度なんでしょうね。
講演?なにそれ。やってられるかくだらねえ、的な。

所詮私のつたない英語力とあふれる妄想力によるものなので、一部意訳しすぎたり誤訳だったりしているかもしれません(特にコールガールのあたり。どこのサイトあたっても上流階級の娘とされているので)。
詳しい方がいらっしゃればご一報くだされば幸いです。

トレイシー・チャップマンのFast Car*4ルー・リードのPerfect Day*5も同じタイミングで和訳したのでいずれそれらも載せます。

万が一これを見たら同僚にアカウントがバレそうですが。
こっちにはまともなことしか書いていないですし、どうせこんな人間であることがばれかけているので構いません。

ちなみにちなみに。日本語のライナーの歌詞間違ってますね。
冒頭、dressed so fineのはずがso findになってました。

Like a Rolling Stone

Like a Rolling Stone

  • 発売日: 2014/10/03
  • メディア: MP3 ダウンロード

*1:3節目を意訳。your diplomat=シャム猫を肩に乗っけたあんたの外交官≒コールガール組織の元締めと考えました。あと大道芸人見世物小屋の連中を見下して振り向きもしないというくだりでも、本質的には彼らと同類ってことかもと感じたため

*2:昨年キューバに旅行するにあたって歴史をちょっと調べたらケネディが極悪非道にみえましたよ…私の大好きなルー・リードの歌には「ケネディが死んだ日」って曲あるからきっとリベラルで素晴らしい政治家だったんだろうなと言うイメージだったのですが…片方の面からしかものを見ない弊害ってまじ怖いですね

*3:もちろん芥川龍之介の遺書からの引用です。自殺の理由を「ぼんやりした不安」って表現するなんて格別ですね。さすが天才。それにひきかえ三島由紀夫は遺書も辞世の句もくどかったし自殺の方法もアレだしうーん。ファンが多いのも評価が高いのも三島由紀夫で、それこそノーベル文学賞を貰いそこねた人物ではありますが。かわりに彼の師匠の川端康成が受賞したというのは一部で有名な話。ちなみに川端氏の講演タイトルは「美しい日本の私」ですが、数十年後に大江健三郎氏が受賞したときそれをもじって「あいまいな日本の私」ってしたのすげえユーモアあってすげえクソワロと思います。まあつまり、ぼんやりとした、とか、あいまいな、ってのがいかにも日本らしいんじゃないかなと私はさらに思います

*4:これは本当に、どうにもならない社会に胸が痛くなるほどのとてつもない歌詞です。涙すら値しない。

TRACY CHAPMAN

TRACY CHAPMAN

  • アーティスト:CHAPMAN, TRACY
  • 発売日: 2002/10/01
  • メディア: CD

*5:私のベストライブはこれからもずっとルーリード@東京厚生年金会館です。生のルーリードに間に合って本当に幸せでした。

TRANSFORMER-UPGRADED VERS

TRANSFORMER-UPGRADED VERS

  • アーティスト:REED, LOU
  • 発売日: 2003/01/06
  • メディア: CD